靴は毎日のように磨いて、玄関の靴は常にきれいに並べておく。この習慣を続けるだけで、靴を履くたびに心地よい気持ちになる。靴磨きはスポンジ式の簡単なもので良いし、靴を並べるのも手間はかからない。
私は基本、アッパーが皮革でできた靴を履く。最近は、同じメーカーの同じ靴で、買うごとに色を茶、黒の順に変えて、その靴の型番が絶版になるまでは履き続けるつもりである。靴との相性は運命的でもあるので、相性の合う靴は、複数持っていても良いと思う。
靴を磨く行為の中には、靴の損傷度合い、靴底の減り具合を確認できて、歩いている最中に靴底がはがれることを事前に防止したり、靴の替え時を判断する材料となる。何よりも、靴がピカピカになっていくプロセスは、靴磨きをしていて楽しい。
玄関に並べた靴は、宅配業者の方も見られるので、機会を見ては靴を並べる。子どもたちは家に帰ると靴を散らかす。それを私は揃える。この習慣を子どもたちが体感すると、そのうち何も言わなくとも靴をそろえてくれる(とても時間がかかる教育方法だが)。
靴をそろえて並べるということは、緊急時に外出する際にも、迅速な靴の着用に役に立つ。間違えてほかの靴を履くことも少なくなろう。また、靴をそろえる習慣をつけると、外出時にもその習慣が使える。それで客人としての評価が上がるかは不明だが、最低限のマナーとして身に着けたほうが良いであろう。
靴は別に高級なものでなくともよいが、重要なポイントは、靴を丁寧に履いていることを、ひそかに評価する人が、この世にいるであろうこと。細かい所作の中に、相手の信頼を勝ち取る本質があること。別に他人の評価を上げるわけではないが、自分の中でいろいろな物事を整理する習慣は必要と思う。