トラベラーズノートの存在は、かなり前から知っていた。すこしいけ好かないノート、それが私の印象であった。ノートの表紙とページ枚数の少ないノートだけで、結構な値段がした。書店にある文具店あるいは文具専門店に飾ってあるトラベラーズノートは、どれも表紙に傷が目立っており、ゴムは外れているか、ついていてもダラダラと伸びたものであった。そしてどこか疲れていた。
しかし私は、ひょんなことからこのトラベラーズノートを購入し、その魅力に憑かれてしまった。YouTubeの動画も何本も作った。買い増しを続け、いつの間にか4冊も持つこととなった。何が魅力だったのか?
トラベラーズノートには、様々なストーリーが後付けできる。私は、旅の記録をトラベラーズノートに記入することとした。旅の現場では、小さなサイズの「パスポートサイズ」に、イベントが起こるたびに時間と出来事を記録する、「タイムスタディ」方式で逐次記入する。旅の途中(宿舎など)あるいは帰宅した後に、「パスポートサイズ」のノートから、大きなサイズの「レギュラーサイズ」のノートに転記をしてまとめる事とした。旅先でもらったチラシや、お土産物のレシート、お土産物の包装紙、駅に置いてあるスタンプなど、ありとあらゆる現場の情報を残して、「タイムスタディ」に詳細な情報を追加した。
たくさんの旅の思い出を記録して、色々な思い出をノートに張り付けると、旅を思い出すためのキーがたくさん埋め込まれた、旅ノートが完成する。このノートは、何かあるたびに眺め、当時のことを思い出す。
トラベラーズノート、パスポートサイズの一つは、私のパスワード・マネージャーとなっている。最近加速的に増加した、ログイン名とパスワード、その他情報を一括してパスポートサイズに収めようとしている。このノートは毎日に近いぐらい利用している。パスワードなどの情報は、別の場所に書いていたものを、そのパスワードが必要になったタイミングで転記する。転記を繰り返すたびに記憶が定着していくのだが、時々パスワードを変更するので、更新が追い付いていないこともあるものの、トラベラーズノートによるアナログなパスワード管理はとても有効である。
ここで、なにもトラベラーズノートにこだわらなくてもよいのでは?と思う方々がおられると思うが、そこに私の考えがある。トラベラーズノートに使われている「MDペーパー」は、細かい字の筆記にとても適しており、表紙や紙の耐久性は非常に高いので、繰り返し使用しても、ヘタることが少ない。
細かい字を書くには、超極細(EF)の万年筆を使うに限る。また、トラベラーズのーとの紙質は非常に良いので、極細の万年筆による筆記で、かすれたり、にじむことがほとんどない。おおよそ、3.5mm四方の枠内にも筆記することができる。細かい字を使って情報の密度を高めているので、トラベラーズノートは好適である。
表紙の耐久性は、非常に良い。シンプルな革の加工品なので、メインテナンスがしやすく、ゴムも適宜交換ができるので、艶出しのメインテナンスを行えば、美しい光沢を保つことができる。
トラベラーズノートの好きな点ははまだ、語りつくせないことが多々あるので、今後もポストしていきたい。