Amazon が日本に上陸する直前の2013年ごろであろうか、Amazon US でkindle なる電子書籍を閲覧する端末を購入して、英語の本を読んで感動した記憶がよみがえった。当時はすでに、紙の本をスキャンしてパソコン等のディスプレイで読書をすることは行われており、私も、のちに家庭用のスキャナーを購入し、400冊近くは読み取ったであろうか。
紙の本は、紙に書かれた情報以外に、紙にも情報が埋め込まれている。本の重量、ページめくりするときの感触、紙のにおい(海外のペーパーバックの独特なにおい)、インクの乗り方、フォントの違いなど、読書体験には様々な感触が伴っていた。
読書体験を電子機器で行うにあたっては、紙の本のような、感覚に訴える体験はほとんどないのだが、何よりも良いことは、100冊でも1000冊でも重量が変わらないことである。また、所有している本のうち、読みたい本が簡単に見つかることも、とてもよい。このため、読書体験のほとんどが、電子機器で行うこととなった。
もちろん、今でも本屋さんを見かけると、思わず入って、最近のトレンドや、自分の興味のある本を眺めてしまう。しかしながら今では、目的の本を探すのが面倒になってしまい、それほど探索には時間をかけず、結局はAmazon のkindle に頼りきりである。ほしい本がすぐ読めるし、たくさん買い込んでも場所を取らない。
書籍もかなり処分して、残っているのは10冊に満たない。そしてkindleの最新バージョンに入れている書籍は、600冊以上にものぼる。時代は大きく変わったものである。
なお、読書体験を快適に行える端末は、なんといってもiPadである。縦横の比率が読書に適しており、紙の本を電子化したようなノウハウ書などは、紙面が小さくならず、文字も読みやすい。kindle Fire はどちらかというと映像の視聴用であるものの、kindle書籍をkindleからダイレクトに購入できるので、使い続けている。
そしてほとんどの読書体験は、紙から電子機器に変わった。