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ZOOMの一目惚れ録音装置 H4 essential Handy Recorder

私がYouTubeを趣味と実益のプラットフォームにして以降、ZOOMの製品には色々とお世話になった。ZOOMといっても、テレビ会議やチャットのプラットフォームではなく、「音」を操る機材のメーカーである。主な製品は録音機材、オーディオインターフェイス、音声を配信する機材、マイク類である。

ZOOMのマイクは、私の好みのサンプリングを行ってくれる。また、デザインや使い勝手がとても良い。これまで様々なZOOM製品が私を通り抜けていった。残念ながら定着には至っていない。今回のレコーダー、H4 essential Handy Recorder は、入力ゲイン調整せずに録音、音源の活用ができる、「32 bit float」で録音できる機材でかつ、リーズナブルな価格の録音機である。しかしここでは、「32 bit float」の詳細な技術説明は割愛する。私もよく理解できていないからである。

ZOOMの製品は、末尾「1」から始まり、機能が向上するごとに偶数の番号が割り当てられる。本製品は「1」の次の「4」が割り当てられており、「1」にはついていない、XLR端子がついていたことと、今年3月発売後、Amazonではすぐに「H1」は売り切れてしまったと思われ、「H4」を購入した。

ZOOMの製品はデザインやユーザーインターフェイスが好きで、プラスチックが多用されている製品であるが、触った時の気分が良い。写真の上についているのがXYマイクで、腕をバツの字にしたような形でマイクが配置されている。こうすることで、音を立体的に収録できる。私がかつて持っていた「Q2n」ビデオカメラや、「F1」レコーダーの頭に付けられる「XY H-6」XYマイクで実績のあるXY方式の録音方法は、その場の臨場感を切り取る素晴らしいマイクである。

ちなみに、Q2nに付属のマイクは、深田萌さんが我が県にお越しになり、講演された時の音声をしっかりと拾ってくれた。セッティングに苦心していたため、冒頭に聞き苦しいノイズが入ったことが、今でも悔やまれる。

画面はカラーのLCDで、シンプルで見やすい。ZOOMの製品に付属する画面は、モノクロのシンプルなものが多かったが、カラーでもシンプルな構成で、個人的には好感が持てる。画面には、剥がせるプロテクターがついていたのだが、プルタブを取り払い、プロテクターをつけたまま運用しようと思う。ここでの注目は電池残量であり、エネループの充電池をフル満タンで使用しても、電池残量1で表示される。まだフル運用できていないのだが、私の電池がへたっているのか、ZOOMの問題なのかが不明。

LCD画面には、XYマイクのLとRの波形と、後述するチャンネル1と2の波形が同時に出る仕組みとなっている。上の数字は録音時間と、録音可能時間。32GBのmicro SD カード、デフォルト設定の48kサンプリングレートで、11時間半は録音できるようだ。

背面は電池ボックスと三脚穴。ZOOMの製品は、内蔵充電池ではなく、このような電池ボックスが踏襲されている。このこだわりは好きである。想像よりコンパクトな仕上がりで、手のひらに収まるサイズである。下方の金属部品は、XLR端子を抜くときに押して使う、イジェクトボタンのようなもの。

底部には、2つのXLR端子が刺せる。これが使えると、オーディオインターフェイスとしての活用に幅が生まれるので「H1」ではなく「H4」を選んだ。気づかなかったのだが、TRS端子にも対応しているようだ。試していないのだが、設定変更によりファンタム電源の供給もできる様子。

こちらは本体の右側面。ディスプレイを上面に向け、本体を右手で持つと、親指で電源、設定のジョグダイアル(青色)、ENTERボタンを操作できる。DC5V電源は待望のUSB Type Cで、ゴムキャップの中にはインターフェイス用コネクタが入っていた。

こちらは本体の左側面。LINE IN (3.5mm)、LINE OUT(3.5mm)、ボリュームダイヤル、マイクロSDカードを入れるところ。ボリュームは、ダイヤル式なのが嬉しい。直感的に操作して、直感的に反応してくれる。

上方についているのがXYマイク。作りはしっかりしているのだが、プロテクターがついていないのが少し気になる。マイクカプセルは交換できないので、ぶつけて壊さないように注意が必要。

録音は、あまり多く実施していないので別の機会にレポートしたいと思うが、軽く録音した感じでは、ノイズも少なく臨場感あふれる収音ができたと思う。ただし手で持ちながら録音するときには、手と筐体との接触で放つ音、いわゆるハンドリングノイズが出やすい傾向にあった。本製品にはショックマウントまでは供給されていないと思うが、三脚穴に小型三脚を取り付けて、静置した状態で録音するのがベターであろう。

まだ動画撮影に本格運用できていないが、今後は、小さな音を動画編集中に増幅させた時の、ノイズや音質に注目したい。今後は、子どもの卒業式風景の録音、私の語り動画の収音マイク、ビデオ会議のマイク(オーディオインターフェイス)など、様々な機能を試してみたい。

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