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「日本製」の中古カメラFUJI FILM 「X10」開封

FUJIFILM X10 My Favorite Shooting Camera TRIBLOG 257

最近は、「日本製」のカメラを見ると胸騒ぎがしてしまう。パナソニック、キヤノン、富士フイルムともに、2010年代前半のカメラは「日本製」であった。20世紀の時代には、カメラが「日本製」であることは当たり前の話で、「Nikon」のロゴは、日本の製品を象徴する輝きがあったし、海外の映画にも登場していた。それがいつしか、カメラの産地がマレーシアやタイ、そして中国に変わり、日本製を見る機会が皆無となった。これは嘆かわしいことである。

富士フイルムが2011年に販売開始したコンパクトデジタルカメラ「X10」は、私が一目惚れしたカメラであった。富士フイルムは、ライカを意識した製品群が多い気がするが、本製品は日本の35mmフィルムカメラを彷彿とさせるデザインで、光学式フレームが特徴的である。全面だけ見ると、銀塩カメラと間違えてしまうほどのレトロチックなデザインである。

富士フイルムのカメラに限らず、多くのカメラメーカーは、カメラの前面にメーカーのロゴや製品名を刻印することが多いのだが、本製品は前面ではなく、軍艦部に控えめに配置しているのが非常に良い。

その代わりに、背面のファインダー横には、誇らしげに「MADE IN JAPAN」の文字が。この位置に配置するのは、富士フイルムの技術者が誇りを持って製品設計を行っていたか、あるいは奢りを持っていたかなど、さまざまな想像力を喚起させてくれる。

操作系も極めてシンプルである。モードダイヤル、レトロなシャッターボタン、ファンクションキー、露出補正ダイヤル。露出補正の必要性は、デジタル時代にはほとんど無くなったと思うが、個人的にはよく使うので、ダイヤル式が好みである。「FUJINON LENS SYSTEM」のロゴは、ツアイスを真似したようにも見えるが、このロゴも好きである。ダイヤルもシャッターボタンも金属の感触で高級感がある。クリック感や、ダイヤルを回す時の感触は素晴らしい。

背面も至ってシンプルである。写真を撮影するための機能が淡々と配置されている感じ。ディスプレイの横縦比は3対2か。光学式ファインダーは、ブライトフレームという言葉がピッタリで、枠も数字もない。ただ単に、フレームがズームの画角に合わせて変化する。右の親指が座る場所(サムレスト)は少し小さい。ここに力が入ってしまうらしく、中古品の中では、サムレストのゴムが欠損した個体も2つあった。

レンズは35mm換算で28mmから112mmまでのズームレンズ。ズームは繰り出ししきで手で動かすタイプ。フォーカスリングは付いていない。全手動で撮影したい方には残念な仕様かもしれないが、操作体系をシンプルにしている点では良いことと思う。前面の革張りはおそらく、フェイク革だと思う。使用感は多いが、スレなどは無く清潔感のあるグリップだ。レンズは高級感のある光沢。限りなく銀塩カメラに近い外観。

早速夜の町を撮影したのだが、もう少しサンプルが溜まってから、またブログに掲載したいと思う。

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