パナソニックのコンパクトデジタルカメラ、LUMIX LX-5というカメラがある。2010年の販売とのことで、もう14年前のカメラとなる。動きは緩慢で、センサーの解像度も良くないのだが、良い写真が撮れる気がする。この製品は、まだカメラが「日本製」だった時代の日本のメーカーのカメラである。日本のカメラは日本製というのが当たり前の時代があったが、今では日本製を見る機会がない。このカメラは、しっかり作るべき箇所をしっかり作り、細かい作りが正確である。主要ボタンは金属で作られ、ストロボを繰り出す仕組みも動きがスムースである。日本のメーカーが、型通りのコストダウンを行ううちに、日本製のカメラがなくなり、カメラのモノとしての魅力がなくなってきたのは嘆かわしい。
このカメラは、液晶もれらしい表示不良が発生し、表示が見づらい状態となっているが、写りはまだしっかりしており、不良はない。古いカメラは時には、エモーショナルな描写をしてくれる。レンズの性能の悪さや、センサーの感度、フォーカスの甘さなど。このカメラは、なんとも味のある描写をしてくれる。
駅の階段近くで撮影した。なんとも古い看板と、剥き出しの鉄骨。古びた配管とスレート天井。
海から少し離れているが、潮風の影響で鉄橋も錆びてしまうのか。なんとも味わいのある陸橋。
この看板の向こうには、大型ショッピングセンターが鎮座していた。今では完全な更地と化しており、人で賑わっていた時の面影はない。
紫外線で色褪せてしまった看板。なんとも昭和チックな感じの店舗。
パチンコ屋の空き店舗に突如として現れたミュージアム。
リコー通り。リコーが沼津に展開した履歴をよく知らないが、昔はリコー社員が多く通勤していたのか。昔は企業城下町の雰囲気があったのか。
結局、「寂れゆく沼津の街並み」を撮影するのに良い感じの描写をしてくれるカメラだった。