私は、レンタルサーバーを用いてこのブログを書いている。レンタルサーバーとは、自分の好きなドメイン名、すなわち〇〇.comといった〇〇のところを、自分の好きな名前にできる権利を借りる、といったところか。権利を借りると書いたのは、サーバーは間借りしており、初期は年間契約で支払いを行ったので、契約が切れたら.comの名前を使う権利がなくなるだろうし、今書いているブログがサーバーから消えてしまうのであろう(正確に理解していないので曖昧な表現になっている)。
表題のテーマに戻ると、何かの文章で読んだのだが、タクシー会社の最大の顧客はタクシーの乗客ではなく、タクシーの運転手であることを知り、なにか合点がいったことを思い出した。この手のビジネスモデルは最近急増したような気がする。タクシー会社の雇用に関してはよく理解していないのだが、例えばウーバーの運転手、Uber Eatsのカバンを背負って自転車を運転している人、生命保険の販売員、そしてブロガー、YouTuberなど、個人事業主というカテゴリーに属し、お金を稼ぐスタイルが増えている気がする。最後に上げたブロガー、YouTuberは、利益を求めず、自己承認欲求を満たす目的で活動している方も多いと思うので、必ずしも当てはまらないだろうが、雇用主ではない「契約しているパートナー」に多くのお金が流れる仕組みがあろうかと思う。
私は、何を血迷ったか、ブログで収入を得るような本を購入して、即日レンタルサーバーの契約を行い、誰も読まないブログをひたすら量産している。私はもともと、文章を書くのが好きで、2006年位にはホームページを毎日のように更新していた。かの有名な「阿部寛」のホームページのようなシンプルで読み込みが早かった時代のホームページの体裁で、初期の頃はHTML文を自分で構築しながらホームページを書いて、FTPでファイルを転送していた。この頃に書いたページは、一時期はIBMの「ホームページビルダー」ソフトに保管されていて、FTPサーバーにも残っていたのだが、そのどちらも消失させてしまった。非常にもったいないと思った。
今書いているブログも、レンタルサーバーに年間契約料が振り込めなくなったとき、すなわち「お金の切れ目が縁の切れ目」となったときには、一切合切データが消失してしまうのであろう。中には「魚拓」なるデジタルコピーを保存するかたもおられるかもしれないが、私のような、読者が外国の方で、熱心にキリル文字やアルファベットでメッセージを送ってくださる方以外には、今のところ読者がいないため、私の書いたことは巨大なインターネットのネットにも引っかからずに、静かに消えてしまうのであろう。
そしてブロガーも、自由に発言ができるわけではなく、ポリシーに反する発言は罰せられる。自分で自由にドメインを選べないタイプのブログ環境では、ブログの運営元に突然BANされることもあるだろうし、YouTubeチャンネルが突然消えるのも、よく聞く話である。ブロガーもYouTuberも、自由なようで完全に束縛されている。
YouTuberは特に、発信するための道具に多額の投資をする必要を感じることもある。映像がしょぼいとなったらカメラを高級にするし、音声が聞き取りづらいと言われたらマイクを高価なものにするし、編集を高度化しようとしたら、ソフトウェアと、ソフトウェアを十分に動かせるPCが必要になる。かく言う私もカメラに関しては多くの試行錯誤や設備投資を続け、最終的に残ったカメラは、iPhoneとビデオカメラになった。
注文の多い料理店とは、宮沢賢治という作家の書いた童話であり、自分がレストランで食事を楽しむ予定であったが、自分が食材になっていたというオチが面白い小話である。タクシー運転手、YouTuber、ブロガー、Uber Eatsの自転車パイロットなど、あらゆる人々が、この注文の多い料理店にでてくる主人公の姿と重なる。
今私はブログでもYouTubeチャンネルでも収益を得られていないし、今後もどの程度まで収入を得られるかがわからない。その間レンタルサーバー代金は払うし、必要に応じ機器類の設備投資は継続される。しかし私は、楽しいからブログやYouTubeチャンネルを続けていられると思う。リタイアしたあとにもたくさんの仕事が、ブログ執筆とYouTubeチャンネルへの投稿に残っているからである。