私は学生時代はずっとスポーツを行ってきて、怪我をたくさんしてきた。スポーツ以外でも大怪我をしたことがあり、その最も大きな怪我は、中学生の時に肋骨を3本折った怪我だった。その怪我は、木の上に乗っかったボールを取ろうとして木登りし、転落して起こした怪我であった。
学生時代の大怪我はラグビーの試合中に起こしたじん帯損傷で、その後何度も膝崩れを起こし、社会人になってからも運動会中に膝崩れを起こし、3回は手術となった。この膝の怪我を契機に、あまり大層なスポーツはできなくなり、齢を重ねるとともに、歩くことが私にとってのスポーツとなった。
社会人になった後、静岡に転勤になったことがきっかけとなり、毎年富士登山を行うこととした。富士登山のトレーニングを兼ねて、近隣の低山を登ったり、富士山の周りにある東海自然歩道を歩く、トレッキングを好むようになった。コロナ騒ぎの中も、人を避けながらウォーキングを行い、コロナ後はトレッキングをきっぱりと止めて、ウォーキング専門となった。冷静に富士登山やトレッキングの履歴を振り返り、あまりにも危険な行動を行っていたと考えたからである。
中年になって登山を始めたり、あるいは再開する方は多いと思うが、私はもうトレッキングを再開するつもりがなく、ひたすら、アスファルト上のウォーキングを楽しむのみである。実はコロナ禍に散歩している最中につまずいて、額を4針ほど縫う怪我を負ってしまって以降、歩くことだけで満足している。
歩くだけでも心肺機能は強化され、脚力が付くし、自動車や自転車、あるいはランニングしている最中には分からない気づきが多い。新しくできたお店や、道端に生えている草花、空の変化や、頬をかすめる風の温度など。熱いさなかに歩くのは苦行に思えて、慣れてしまうと実は楽しい。それに、歩くことにかけるコストは、少し上質な靴と、汗を上手に発散する服、タオルなどの小物を入れておく小さなリュックなど、比較的お金をかけずに揃えられる。
これから運動不足を解消しようとされる中年や高齢の方は、歩くことを習慣化することをお勧めします。