「タイムスタディー」とは、その時に起こったイベントを、時刻とともに克明に記録する方法であり、記録した後は、過去の記憶を呼び起こすのに使用したり、生産性の改善など活用する記録形式である。
タイムスタディーは、私が製造業に就職してから早期に習得した技術で、現場でイベントが発生するたびに、時刻と、そのイベントの詳細を記録していくのが重要である。時刻は、一つの時計を基準にした方が良い。現場の時計は、まちまちに時を刻んでいることが多く、数分のずれが、すべての事象の同期と合わなくなる可能性があるので、どれか一つの時計を基準にした方が良い(令和の今でも、時計がまちまちに時を刻むことが多々ある)。
タイムスタディーを記録する時には、月日に加え、年号も忘れてはならない。年号は、西暦、あるいは皇紀のような、起点がずれない方がよく、令和や平成のような、数字がリセットされるような年号は使い勝手が悪い。
少し詳しい方法が、私のYouTubeチャンネルで紹介されているので、参考にしていただきたい。
タイムスタディーを記録する時の動線は、イベント発生を見届けた後、時計を見て、記録する。時計は腕時計の方が便利で、記録はクリップボードか、硬い表紙のノートに行うのが良い。私にとって「現場」のイベントは、立っている時に発生して、見届けることが多いので、立ちながら筆記できる形態が好ましいからである。
記録する際のクリップボードやノートは、文字を書く手の反対側の手で持ち、文字を書く手には、筆記具を持っておく。イベントが発生した時に、すぐに記録できるように待機しておく。イベントには、データ、印象、スケッチなどを添付しておくと、後で読み返したときにわかりやすい。
タイムスタディーを読み返すときは、所要時間を意識して読むと良い。A地点からB地点までの移動距離、ご飯を炊くまでの時間、寝た時間と起きた時間から睡眠時間を算出するなど。仮に上記の移動距離を記録する際、移動する頻度が多い場合は、次に移動する際の改善効果として、早歩きすること、信号待ちを短くすること、前段取りとしての身支度を短縮するなど、さまざまな改善と、それによる短縮時間を記録することができる。
近頃は、紙を使わずにPCの中にタイムスタディーを記録することが多いが、自分の手書きのタイムスタディー読み返すと、とてもタメになるので、実行してみてくださ。