「睡眠者」は、95%位の内容は、過去に見聞きした内容であったが、残り5%分の気づきがあった。気づきがあったのは、夜中に起きて、突然本書を読みたくなった時に読んだ際のインスピレーションであって、気づきの内容は、大半は忘れてしまった。
私も20代の頃、不眠症や睡眠不足に悩まされ、海外赴任時に置いては、強力な睡眠薬を処方された結果、昼間も麻酔にかかったかのように、眠気が覚めない体験を持っている。故に、眠ることの大切さ、眠れることの有り難みを知っている。このときから睡眠に関する本を読んだりして、断片的に睡眠に関する知識と知恵をつけてきた。
50代になった今は、夜は、何かのリミットスイッチが働くかのように、強制終了的な眠気が襲うことが多く、不眠症には悩まなくなった。一方で、夜中に目覚めたり、トイレに行く事は増えた気がする。また、スマートフォンを眺めることで、再度眠る機会を逸することも多く、最近ようやく、スマートフォンを枕元から離して眠るようになった。
睡眠を促進する要素に、太陽光が大きく寄与していることを、「睡眠者」で再認識した。太陽光は朝を認識させる刺激であり、スマートフォンの光が、良く言われる「ブルーライト」も、刺激を与える光である。スマートフォンを枕元から離して眠る事は、睡眠の質を高めるための必須要件である。
今回の読書でおやっと思ったことは、睡眠は、ガンの抑制や、腸内環境の整備も行っていると言うこと。免疫システムの仕組みは、なかなか理解していないのだが、眠っている間に身体の中で行われる、身体の整備について知ると、人間の身体の精巧さに驚く。
睡眠中における記憶の再整理は、睡眠の重要な役割であるが、私が最近、夜中に起きてもスマートフォンを操作しなくなって以降、やたらと、30年から40年前の記憶が、蘇る事が多くなった。それは突然映像として降りかかり、私が幼少期を過ごした社宅の間取りや、近くで遊んでいた環境の風景、幼稚園で泥遊びして見つけた、トンボの幼虫など、何の前触れもなく蘇る。
仕事においても同じであり、25年前に習得した技術が、非常に高い精度で思い起こせたり、過去の類似体験をもとに、問題解決のヒントを思いついたり、記憶の再整理が促進されて、新しいことに挑戦出来る脳がつくられている。
私の睡眠においての課題は、飲酒、特にビールとの付き合い方であるが、この件については別の項を設けたいと思う。