私は、2011年以降、ほとんどの期間において、敷布団をサーマレストにしている。サーマレストとは、アメリカのアウトドアメーカーで、主にマットを自国内で製造している。
別の投稿で記述した通り、私は2011年以降、家の中で、寝袋で就寝している。この際、地面との断熱や、快適さを得るために、マットの探索を行ってきた。
最初はスノーピークの空気式マットを経験した。高級感があり、四角形のマットは、大柄な私にも十分なスペースを提供してくれた。初代の青色のマットは、今でも活躍しているものの、空気漏れがひどくて、ときどき帰省する子どもが帰ってきたときのみに使用する。
次はサーマレストの空気式マット。赤色がりりしく、他メーカーのマットと違い、筐体と中のスポンジ材との、層間剥離を起こさない構造となっている。ちなみに層間剥離を起こしてしまった空気式マットは、オーブンで規定時間以上過熱してしまった、お餅のように膨らんでしまう。サーマレストは非常に頑丈なマットであったが、空気の偏りが、姿勢とともに細かく変化するので、背中の筋肉が疲れてしまった。
最終的に行き着いたのは、サーマレストのリッジレストとZライト。いずれも空気を入れなくとも使えるフォーム式のマットである。空気式と比べると寝心地は固いのだが、意外と固いほうが、背中や腰への負荷が少なかった。以降のシチュエーションは、主にサーマレストのリッジレストを使用している。
サーマレストのリッジレストは、実に4回は買い替えた。フォーム式といえども使っているうちにクッション性が悪くなってくる。毎日使っていれば、へたるのも当然かもしれない。それでもリッジレストは私の体重を支えてくれた。ちなみにリッジレストは、私としては丸めて保管するよりも、４つ折りにして保管したほうが、平たく保管できて都合がよい。
断熱性能もそこそこ良い。R値なる指標が、サーマレストで提唱されているが、個人的には、蒸着有無による断熱性能の違いを感じることができなかった。よってリッジレストは、濃いグレー色の、蒸着されていないものを好んで使っている。
近年、パスタくらいの太さのポリマーをぐにょぐにょと吐出して、立体成型したマットレスが売られているが、私は、背中に当たる感触は、固いくらいがちょうど良いと考えている。もちろん、ポリマーぐにょぐにょのマットレスを否定するわけでもなく、寝具は人それぞれに相性があると思う。
しかしながら、私の真似をしようとして（真似しようとする方がそもそも居ないのであろうが）、いきなりサーマレストに踏み切るのは妥当ではなく、長年布団に親しんだ方なら、まずはスノーピークの空気式マットレスから初めて、その後にサーマレストのリッジレストを試されたほうが、急激なショックを感じずに、サーマレストに移行できると思う。
このような様々な試行錯誤と訓練を重ねたので、私はどこでも寝られるほど神経が太くないものの、寝具を問わず寝られる図太さは身につけられたと思う。