あなたの町には、「町の文具屋」は存在するだろうか?町の文具屋はかつて、小学校の数だけあったと思われ、昭和に生まれ育った世代には、一度はお世話になったと思われる。ノートや鉛筆、習字用半紙を購入したり、なわとびを購入した記憶があるであろう。そんな文具屋は、絶滅の危機に瀕している。

私がよく通う町の文具屋は、かつては小学校御用達の文具屋であったと思われる。ただし現在は、ドラッグストアや、コンビニエンスストアが肩代わりしているようだ。昔は、休日や夜間は、明日学校で必要な文具は購入できなかったが、今は24時間購入することができる。時代は変わってしまった。

私が通う町の文具屋は、万年筆にも詳しい。そして、昔のデッドストックをよく保管している。文具屋の親父さんは、それらストックを後生大事に取っておき、選ばれし人々に少しずつ配布しているかのようであった。

文具屋の親父さんは、後継がいないようである。子どもさんは成人しているが、サラリーマンをやっており、家業を継ぐつもりはないらしい。親父さんの作り出した、文具のスモールワールドは、もう少ししたら、桜のように散ってしまいそうだ

私が、PILOTのインクボトルを求めた際に、文具屋の親父さんは、インクボトルを使い切るまでには、私はいないであろう旨を呟いていた。私は、それはないと否定したが、この間親父さんからもらったインクカートリッジを使いきれず、どうしようかと思っている。

万年筆は、日記や日誌を書くのに適しており、仕事の記録には向いていないと思っていた。日記や日誌は、じっくりと考えて記入するが、仕事の記録はスピードが命である。「現場」に転がっている情報には賞味期限があり、すぐに記録しなければ、情報の価値は色褪せてしまう。

こんな中、私が「EF」の、万年筆のペン先を使うのは、とにかく細かい字を書きたいからである。私は若い時分にモンブランの筆記具にハマって、モンブランの万年筆は3本購入した。残念ながら現存しておらず、今頃誰かが使っているか、中古屋の棚に眠っているであろう。

細かい字を書くには、万年筆と紙の協力が必要である。EFの万年筆は、じっくり時間をかけて筆記するのにちょうど良いが、細かい字を書くにあたっては、紙がインクを受け入れやすく、かつインクが裏移りしないような、適度な厚みと、材料の選定が必要である。

通常の大学ノート、言い換えるとコクヨのノート。これはペン先の当たりが良くない。システムダイアリーのリフィルは及第点。インクをしっかりと捉えるが、裏移りしてしまう。これを見越してか、システムダイアリーの販売元は、高級紙を使ったリフィルを販売している。

そして、PLOTTERの薄い紙。薄い紙は、リフィルをコンパクトに収納したい方にぴったりである。PLOTTERの紙は、薄くありながら、万年筆のインクをしっかり吸収して、裏移りしない。明日、PLOTTERを見に行こうと思う。

町の文具屋に変わり、ショッピングセンターのような文具店、高級文具店、本屋に併設されている文具置き場、コンビニの文具置売り場、そしてドラッグストアの文具売り場。これらにすんなりと、取って代わられるのであろうか?

私が引き継げるのであれば、是非とも引き継ぎたい、町の文具屋。

投稿者 junjitee

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