COACHのフォトフレームは、革でできており、馬具をも想起させる綺麗なブラウンのフレームである。おおよそ25年近く前に購入して、家族写真を入れていた。最近はメルカリに出品したものの買い手がつかなかったので、出品を取りやめて、ひっそりと保管されている。
以前は、年賀状のデザインは家族の集合写真で、毎年、子どもの成長を親戚や友人に伝えることができた。それらをフォトフレームにいれて壁に飾っていた。そして徐々に、子どもが集合写真を嫌い、年賀状もまちまちのデザインで作るようになって、また、子どもたちが家を出るたびに、買い置きする年賀状も少なくなってきた。
今では家族が集合する機会も激減して、今年になって久しぶりに、正月に家族が全員集合した。それも無理やり招集して。この時は神社で家族の集合写真を撮影してもらった。寝具はかなり処分してしまったので、冬の寝具をかき集めるのが大変だった。
手狭だった家の室内も閑散として、物も少しずつ減らしている。しかしどうしても捨てられないのは、銀塩写真時代に撮影した、家族の写真である。アルバムがそこそこの量あるが、スキャンするには多すぎるし、保管していても湿気で劣化しかけているので、どうしようかと思っている。
フォトフレームも一時期は林立していたが、ほとんどをたたんでしまった。写真をたくさん挟んでいたボードも、どんどん色褪せてしまっている。子どもが家庭を持つようになったら、少しずつ、写真やフォトフレームを分配しようかとも思う。
デジタルに変換できない思い出は、家にたくさん眠っている。